70代男性 後十字靭帯再建術
スポーツ選手に多い「前十字靭帯断裂」は、膝の捻り動作により生じることが多いです。
対して「後十字靭帯断裂」は、転倒により膝前面を強打することにより生じます。
転倒により生じるため、年代問わず生じます。
前十字靭帯断裂も後十字靭帯断裂も、若年者では手術を行うことが多く、
中高年以降では、理学療法・装具など保存治療を選択することが多くなります。
後十字靭帯断裂は、前十字靭帯に比べて日常生活動作で
困ることは少ないため、中高年以降で手術を選択することは稀となります。
今回の症例は70代の男性ですが、マスターズの大会に連続出場するアスリートです。
後十字靭帯は、レクレーションレベルのスポーツであればサポーターでなんとかなりますが、
記録を競う競技は不可能なります。
強い希望と覚悟があったので、再建術を行いました。
金属の棒で触れている部分が、後十字靭帯の付着部ですが、
剥がれてなくなっています。
2本見える靭帯のうち右側が再建靭帯です。
動画では再建靭帯の緊張が良好であることが確認できます。
この手術は一人では大変なため、東京女子医科大学主任教授である岡崎賢先生に
応援にきていただき一緒に行っています。
靭帯再建手術においては、実年齢よりも、
本人のスポーツに対する意欲、手術やリハビリに対する覚悟が重要となります。