外反膝(X脚)に対する大腿骨遠位骨切り術(DFO)
今まで何度か紹介してきた、変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術(HTO)は、O脚バランスのため膝の内側の変形が進む患者さんに対する手術です。
O脚バランスをX脚バランスに変えることにより、膝の外側に体重の中心を移すことが目的となります。
圧倒的にO脚バランスの方が多いですが、中にはX脚バランスにより膝の外側の変形が進む方がいます。
今回紹介する症例は40代の女性です。
右足の股関節と足関節を結ぶ荷重線が、膝の外側を通っており、X脚となります。
MRIで高度な軟骨欠損を認めるため、高齢であれば人工関節でもよいのですが、若年のため
大腿骨遠位骨切り術(DFO)を行います。
大腿骨の内側を写真のように楔型に骨を切り抜き引き合わせます。
引き合わせてプレートで固定することにより、矯正した部位から先が、青矢印のように移動しO脚バランスに調整します。
HTOとは逆の原理になります。
HTOと違うところは、体重をかけるまでの期間が大幅に伸び、全体重をかけるまで約2ヶ月を要します。(HTOは約2〜3週)
松葉杖で帰る場合は、1〜2週間での退院も可能ですが、骨がついて歩けるまでとなると入院は長期となります。