逆V字型矯正骨切り術の2例
日本人の多くがO脚気味ですが、それが高度な場合、
若年者でも膝の内側の変形性膝関節症が進みやすくなります。
50代以降であれば人工関節でも問題ありますせんが、30代〜40代の活動性が高い年代や
スポーツ愛好家は、人工関節より回復に時間がかかりますが矯正骨切り術を考慮します。
矯正骨切りは膝の内側を開くOPEN WEDGE型と、
膝の外側を短縮させるCLOSED型でほとんど対応できます。
どちらも1時間程度の手術です。
しかし、O脚が強く、大きな矯正が必要な場合、術後の外見に不自然さが出てきたり、
膝前面にかかるストレスが強くなる欠点がありました。
今回紹介する逆V字型骨切り術はそれらの欠点が生じることなく、大きく矯正できます。
欠点としては手術手技が煩雑になり、手術時間はほぼ2倍になります。
さらに回復までの時間も、通常の骨切り術より長くなります。
今回紹介する症例は、どちらも40代の男性です。両側同時に行なっています。
1例目は格闘技指導者です。海外在住の方です。
ホームページで当院のことを知ってこられました。
足を揃えて立っているのに、膝の間がおおきく開いており、
かなり強いO脚となっています。
このバランス自体は、生まれつきのもので、悪いわけではありません。
症状がなければ治療は必要ありません。
しかし運動に支障があり、手術を希望されました。
あまり長く滞在できず、すぐに海外に戻られるとのことで、
膝内側のプレートは分厚く強固なものを選択しています。
2例目はスポーツ愛好家の40代の男性です。
1例目の症例と同様に、かなりのO脚バランスです。
仕事への復帰をそれほど急がないため、
膝内側のプレートは皮膚への刺激が少ない薄型を選択しています。
どちらも足のバランスが大きく変わっていることがわかると思います。
回復に時間はかかりますが、人工関節と違い、骨癒合後に
運動に制限がないことが最大のメリットとなります。