人工股関節手術に対するPSI
2019.9.16のブログで、人工膝関節全置換術のPSI(3DCTベースでのオーダーメイド骨切りガイド作成)を紹介していまが、
人工股関節に対しても全症例ではありませんが、PSIを導入しています。
患者さんの股関節X線写真に、テンプレート(透明なシートに人工関節がサイズごとに描かれたもの)
をあてて術前計画をすることが、現在でも一般的です。
しかしやはり2次元での計画には限界があります。
股関節が拘縮(動きが固い状態)していたり、肥満、背中が曲がってくることによる骨盤の傾斜があれば、予定と大きく狂うこともあります。
3DCTでの計画は、手術での視野が悪いALS(脱臼しにくい前側方アプローチ)には強い味方になってくれます。
さらに、正確な骨切りを補助するオーダーメイドのガイド準備されるので、ほぼ術前計画通りとなります。
欠点は、ガイドを当てる部位の軟骨や靭帯を、骨から綺麗に剥がす必要があり、多少手術時間が長くなります。
また患者さんに他院へCTを撮りに行ってもらったり、データを転送・編集したりと結構な手間がかかります。
しかし、正確でない骨切りをしたために起きるトラブルや、切り直しの時間を考えれば、必須の技術といえます。