3週連続の両人工膝関節全置換術(TKA)
両膝とも悪い方の人工膝関節置換術は、体力的に問題なければ
同時手術を勧めています。
7月の土曜日午後は、3週連続の両膝同時TKA(全置換術)でした。
一週目の60代女性です。
高度な変形があります。軟骨が消失しO脚となっています。年齢、変形の程度等からTKAを選択しました。
術後のX線です。形が綺麗になっています。
術後の経過は良好で4週で退院されました。
2週目も、60代女性です。
同様に高度な変形があります。
術後のXPは、同じく綺麗な形となりました。
3週目は70台女性です。
私がクリニックに戻ってきた8年前の時点で、既に「超」がつく高度な変形でした。
右膝は(向かって左)、脛骨(すねの骨)の内側が変形しすぎて骨が一部分離しています。
歩行時に高度なスラスト(体重がかかった瞬間膝が外にぶれる)があります。
当時、手術について説明しましたが、平気だからと希望されませんでした。
人工関節の手術面談のときに必ず私が話すことがあります。
「自分自身が、もう手術するしかないと思ったときが一番のタイミングです。」
X線では「よく歩けるな・・」と思うほどの変形でも、本人が平気ならそれで良いと思います。
痛いから手術を受けるのであって、変形しているから手術をするわけではありません。
しかし、選択肢として手術があることを知らないと選ぶことができませんので、
これほどの変形があれば、必ず手術の説明をします。
その後外来で温熱療法、湿布等を処方する日々が8年間続きました。
最近は、会うたびに痛みの訴えが強くなっていましたが、遂に覚悟を決められました。
脛骨内側の骨が欠けており、安定性を高めるために、脛骨にロッド付の
人工関節を挿入しました。
両足とも形が良くなったことがわかると思います。
もちろん、歩容も各段に良くなっています。
3週連続両TKA後、2週連続で両UKA(部分置換)が続きました。
両膝同時は、片膝ずつより、術後2週ぐらいまでは大変です。
しかし、退院時に「片方ずつやっておけば良かった」と言われた方は
ほとんど(覚えている限り一人も)いません。
欠点は、私が少々疲れるぐらいです。