外反母趾手術
外反母趾は、中高年以降の女性でかなりの有病率です。
しかし、膝や股関節ほど直接歩行に影響しないため、手術するケースは少ないです。
ほとんどの方が、薬局やインターネットで買えるような簡易装具で治療し、実際それで問題はありません。
母趾の付け根が腫れ上がって痛みが続いたり、足の裏に大きなタコ(ベンチといいます)ができて
歩行時に疼痛が生じ、保存治療で改善がないケースが手術になります。
見た目もよくなりますが、見た目を治すことが目的ではなく、足のアーチを調整し痛みをとる手術です。
40代男性の左外反母趾手術の症例を紹介します。
X線で左足の親指が外側を向いています。手術は全身麻酔で1時間程度の手術となります。
術後のX線写真です。中足骨という足の甲のあたりの骨を矯正します。
外反母趾手術は、以前はスクリューやピンを1~2本で固定する手術が主流で、初期の固定力が弱いことが問題でした。
当院では、強固な固定が得られるロッキングプレートを使って矯正位を保持します。
手術翌日より踵(かかと)を使って歩行可能です。入院期間の目安は3日~10日です。
術後数年経過して母指が外反してくることがありますが、骨格を矯正しているので、
見た目が少し戻る程度で問題はありません。